パレスチナ:ラマダーン中のガザ市民に対するコロナの影響(3)
2020年05月09日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ガザ:ラマダーン中の市民に対するコロナの影響(3)

【パレスチナ:本紙、イスマイール・アブドゥルハーディー】

ハリール・バアルーシャという青年の状況もまた、良くなかった。彼は、ガザ市中心部のナセル通りにある交差点で玩具の販売をしているが、市街の通りにはほとんど通行人は居なくなり、彼の商品を買う人はおらず、損害を受けた。彼は本紙に対し、コロナ対策措置とこれに付随する、市民に交通量を減らし自宅検疫を義務付けるといった措置が、販売率低下につながったと述べた。特に、ラマダーンの装飾品はとりわけ子供たちによる需要の高まりのために多くの収益を見込める季節商品とされている。しかし、今年はこうした商品に対する関心は消えた。「販路を見つけられなかった分は来年まで保管しなければならないだろう」。

エコノミストは、コロナウイルスがガザ地区における生活や経済状況に悪影響を及ぼすことを懸念し、また、閉鎖が続く状況では、貧困層に留まらず、多くの事業部門に悪影響があると警戒している。経済専門家であるサミール・ハムト氏は、コロナ危機は重大であり、その影響は、労働者や工場、商業および農業部門、並びに観光、様々な事業や商取引において非常に深刻であると明らかにした。また、パレスチナの経済状況は、コロナ対策措置のひとつである外出禁止令およびヨルダン川西岸とエルサレムの封鎖によって、全体として急速に悪化しており、こうした危機は、イスラエルによる包囲で元々経済的に疲弊しているガザ地区においても拡大していると明らかにした。
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( 翻訳者:今中志穂 )
( 記事ID:49283 )