イラク:国境なき医師団がシンジャール郡の現状に関する報告書を発表(4)
2020年08月10日付 al-Quds al-Arabi 紙


■国境なき医師団は検疫と外出禁止、貧困がヤズィーディー教徒たちの絶望を倍増させたと述べる

「国境なき医師団」の医師であるシャナ・モーリス氏は、「外出禁止令が課される前は、特別な医療サービスを必要とする者たちはドホークの病院に送られていた。しかし、そうした人々がドホークに行けなくなり、彼らに残された唯一の目的地はモースルとなった。しかし、複数ある検問所は彼らに対し救急車以外でモースルに行くことを認めていないため、患者は同地に行くために救急車を必要とし、病院に着くまでに4時間を要する。さらに、ヤズィーディー教徒の多くはモースルに行くことを恐れている。彼らが2014年の出来事に苦しんだことに加え、彼らの大部分がアラビア語を解さないためだ」と述べる。

スィノニ病院はシンジャール郡の住民のほとんどにとって、医療サービスを受けるために利用可能な唯一の選択肢だ。「国境なき医師団」はそこで救急医療・出産に関する医療サービスを提供しているが、女性の来院数は減少した。同組織で産婦人科長を務めるディブラ・アデレード氏は「外来医院の患者数は著しく減少し、女性たちは出産前と出産後のヘルスケア、または出産にかかわる諸サービスを受けるための訪院ができていない」と述べている。

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( 翻訳者:横尾龍汰 )
( 記事ID:49772 )