シリア:ウクライナ危機とシリア問題(2)
2022年02月25日付 その他 - al-Souria.net 紙
■ウクライナ危機とシリア問題…後者で「国家主権の尊重・内政不干渉」のレトリックを用いたプーチン大統領は前者においてそれを無視
【スーリーヤ・ネット】
同氏はこれまでウクライナについて「それは歴史において国家ではなく、常にロシアの一部分であった」との見解を述べており、ウクライナ国内では、「隣国であるロシアによって自国が独立した国家と認識されていない」との背景から、侵略の可能性に関してパニックと恐怖の状態が生じた。
こうして世界は改めてプーチン氏の軍事力を思い知らされ、同氏が決定を行ううえで、あるいは、ロシアの国民的・国家的利益を考慮するうえでの政治的合理性を欠いているという事実を目の当たりにすることとなった。ここにおける「国民的・国家的利益」は、プーチン氏の偉大性や支配力に対する欲望のなかに完全に集約されてしまっているのである。たとえそれが国際法の観念に反しており、あるいは国家主権の尊重や内政不干渉を定める国連憲章のポリシーに反しているとしても、である。
奇妙なことに、プーチン氏は自国のシリアへの軍事介入を正当化するためにこの(国家主権の尊重や内政不干渉に関する)レトリックを用いているにもかかわらず、ウクライナに対しては常にこれを無視していることである。これは、そこにおいて法律の考えや国際社会が存在しないことを表わしており、つまりプーチン氏は軍事行動を通じて世界を純粋な権力と支配というコンセプトのもとへと復帰させたのである。
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( 翻訳者:メディア翻訳アラビア語班 )
( 記事ID:49936 )