■シリアが安定を実現するために必要な地域的枠組みとは？

【アイマン・ディスーキー：スーリーヤ・ネット】

こうした区別は、正統性の源泉やシリアの「危機」を解決する手段に向けての両見解の差異に言及することでその意味合いがもたれることとなる。たとえば一つ目の見解は、シリア人の視点から合法的とみなされる政治システムの生産を確立する協定を実現するために必要な庇護者としての域内・国際社会の役割を排除しないまま、政治的解決に至る重要性を強調している。二つ目の見解は、解決策がシリア社会を代償とした国家の強化にあることを信じており、それを域内環境に適合させることで国家に対外的な正統性を与え、それを最終的には同国が直面している内的な問題に取り組むための助けとすることが目指される。

ロシアは、アサド政権の支配をシリアの地理的領土全体に復興させるための努力を続けており、2番目の見解を支持するもっとも顕著な代表例といえる。ロシアは国家の保護と復興に焦点をあてた言説にもとづいて、国際会議においても同様の路線を度々支持しており、その言説における正当な代表、すなわちシリア（アサド）政府を擁護することを続けている。

ロシア政府は、シリア政府の域内環境への再加入が、二国間または複数国間の安全保障協定
あるいは同国のアラブ連盟への再加入によってもたらされるべきである、とみている。さらにこの両条件の実現がシリア政府に正統性と政治的カバーを提供し、同国が内的な諸問題に取り組むのを助けると考えているのである。したがって、真剣な政治的移行は当然ロシアの考えの範疇外にある。

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（ 翻訳者:メディア翻訳アラビア語班 ）
（ 記事ID:52155 )