シリア:シャーム解放機構の将来にかかわる問題と解体の可能性(7)
2020年02月17日付 その他 - al-Souria.net 紙


■シャーム解放機構…将来にかかわる問題と解体の可能性

【サーシャ・アルウ:スーリーヤ・ネット】

4. 方法論

最後に、サラフィー・ジハード組織としてのシャーム解放機構は、少なくとも傘下の戦闘員らのイデオロギー的階級を管理し、彼らにいかなる変化を納得させるために、重要な諸決定を行うにあたっての正当化を必要とする可能性が想定される。同組織がこれまでに実施してきた組織的改革は決して恣意的なものではなく、それらはグローバリゼーションを経験したジハーディスト組織・機構のための新たな戦略の一環としての変革であり、「国境を越えた中央集権制」から「ローカリゼーション」や「祖国回帰」に向けた方向付け、あるいはグローバル・ジハード組織からローカル・ジハード組織への転換に関する戦略の一連であった。

すなわち、「エリートによるジハードから国民的ジハードへの移行」は、シャーム解放機構がローカルにおける影響力を獲得し、その思想に対するより広範な人気の基盤を確保し、ジハード主義組織が往々にしてさらされることになる孤立化の可能性を減退させる手段であったといえる。こうした方針は「ヌスラ戦線」と「アル=カーイダ」(オリジナル組織からの分派)の間でなされた合意に基づくものであった。同様のアプローチのなかで、シャーム解放機構は「アル=カーイダ」の新たな挑戦を体現しており、こうした戦略の有効性を推し量るための重要な試金石の担い手であった。

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( 翻訳者:メディア翻訳アラビア語班 )
( 記事ID:52530 )