レバノン:UNIFIL任務延長案に起因する国連安保理の緊張(3)
2023年09月01日付 al-Quds al-Arabi 紙


◾️西側諸国がレバノンの主権を無視しようとするなかで、UNIFIL任務延長にかかわる安保理会合が緊迫化

【ニューヨーク(国連):本紙】

同大使はさらにレバノンの決議1701号(2006)への取り組みを繰り返し述べつつ、レバノン国土の安全を維持する軍の存在の必要性を強調した。しかしムラード大使は「今回の文言がレバノンのすべての関心事項を反映しておらず、レバノン情勢の特質を考慮しなかったことは遺憾である」と述べ、「この特徴とは主権とされるものである」と付言した。さらに「レバノンは、UNIFILの行動の自由に関わる原則を、一度も拒否または批判したことはない。しかしこの行動の自由は、世界の各軍の平和と安全の維持を継続しながら保持されなくてはならない」と強調した。

ムラード大使はガジャル村北部の占領に関して、それが関連諸国の特性を考慮していないとの観点から、西側諸国の「チェリーピッキング的」政策への反対の立場を表明した。同大使はさらに今回の決議の文言と現状のギャップについて言及したうえで、「UNIFILの任務延長の決定は国連憲章第6章の範疇におかれるものであり、(中略)決議はレバノンの要請に基づくものであって、レバノンに押し付けられるものではない。なぜ国連憲章第7章に基づいた諸決議に極めて似た言い回しに頼るのだろうか。誤った場所において緊張を高める必要性はあるのだろうか」と強く述べた。

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( 翻訳者:齋藤公佑 )
( 記事ID:56305 )