■レバノン・シリアの相関関係:変革はダマスカスに始まりベイルートで終わる
【本紙:ムニール・ラビーウ】
シリアのターイフ合意
いかなるサウジアラビアの計画も、シリアの現状の全体的な再構築をともなうことは間違いない。またこの事例を、シリアのターイフ合意の形成によって新たな方程式が設定されることから、レバノン内戦を終わらせたターイフ合意になぞらえる人もいる。しかし情報によると、特にガザ戦争や、シリア政府がその戦線から自らの身を引くかわりに、ヒズブッラーが戦線の統一という方程式の範疇において紛争への関与を始めたのちの地域情勢の発展を考慮すると、同合意の段階やこうした実績の達成に至るにはまだ早すぎる。またこうした発展は、米国を含む様々なアクターが、戦後の段階におけるガザ情勢の整理を筆頭とする状況の整理を希求しながら、治安問題やその他政治問題に関してシリア政府との直接的ないし間接的な交渉のチャンネルを持つことに貢献した。
この文脈において、湾岸とサウジアラビアにとって、優先順位がベイルートではなくダマスカスに注がれており、だがしかし、機が熟したときにはこうしたシャーム(シリア)の道が最終的にレバノンに通じていることは明らかである。ここでは、ターイフ合意がもたらしたもの、つまりシリア政権へのレバノン問題の管理の委任を復活させることが意図されているのではない。むしろこれは、政治的バランスとともに次なる段階の特徴が描き出されるという枠組みのなかで、現状から利益を得るために、シリアの地理的、政治的水準、そしてシリアがレバノンにいる同盟者らに対して持っている影響力の可能性を利用する試みである。ベイルートは道の始まりではなく、終わりになるだろうという人がいる。そのため、ベイルートが目撃している動向すべては、地域のイメージやバランスに表われてくるであろう特徴を待ちながら、後れをとっているように思われる。
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( 翻訳者:大森耀太 )
( 記事ID:57564 )