■世界のハイエナたちはチュニジアに何を望む?
【本紙】ファイサル・カースィム
端的に別の視点から言えば、ある人が言うように、世界のいかなる政治的軍事クーデターや議会およびその政府の打倒も、権力あるいは世界の強国の後ろ盾なしには発生し得ないのである。クーデターの後ろ盾と、その最大の請負人が周知の通りであることは疑いない。それもそのはずアメリカの承諾と意向のもとで行なったのであるから、カイス・サイードのしたことに対し同国が「クーデター」という表現を用いなかったわけである。カイス・サイードは扨置こう。これは世界のハイエナたちがチュニジアに望んでいることの前面に過ぎないのだ。
我々は、アラブ世界で初めて革命の動きを開始したチュニジアはアラブの諸革命に対し世界のハイエナたちが仕掛けた数々の罠から逃れられた、と考えていた。しかし我々は間違っていた。チュニジアは、墓場に変化しつつあるアラブ諸革命の揺り籠だったのだ。アラブの春はチュニジアで始まった。そして世界のハイエナたちがそれを、チュニジアの中に葬らんとしているのである。
シリア人作家・ジャーナリスト
falkasim@gmail.com
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