レバノン:なぜキプロスがヒズブッラーに脅されるのか、イラン・米国間会議の結果とは?(2)

2024年06月21日付 al-Mudun 紙

■ナスルッラー書記長の「抑止」言説…米国・イラン間の会議は戦争を「延期させる」?

【本紙:ムニール・ラビーウ】

ナスルッラー氏の脅迫はキプロスにも及んだ。同氏は特にイスラエル人らがキプロスで数々の軍事演習を実施していたとして、その理由を説明した。同氏は同様に、ヒズブッラーがイスラエルの諸空港を攻撃した場合、イスラエル人らがレバノンに攻撃を仕掛けるためにキプロスの空港を使用する可能性があると述べ、これを自身からの警告とした。また情勢をフォローしている複数筋は、ナスルッラー氏による脅迫はキプロスを越え、特に盗聴や通信に関連して情報をイスラエルに提供する活動に参加している、キプロスの軍事基地および諜報基地に依存しているヨーロッパや米国にも及んでいると指摘した。

<<戦争の防止>>

しかしヒズブッラーに近い複数筋は、ナスルッラー氏の言説は戦争の防止を目指すものであることを明らかにしている。そしておそらく、同氏はそれを可能にした。同組織はこれまでイスラエル人らに向けて脅迫を投じてこなかった一方で、自らの脅迫を増加させていたのはむしろ彼らだということは注目すべきだ。昨日のイスラエルに対する脅迫、無人機「ヤツガシラ」の動画、キプロスへの脅迫に関しては、これらは「イスラエル人らがエスカレーションに踏み切った場合、同組織には陸海空において完全な攻撃目標を有することになる」とイスラエルに知らしめるための一要素に過ぎない。そしてこれはイスラエル人の抑止を目的としたものだ。

(3)に進む

(1)に戻る


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:大森耀太
記事ID:58159