■「称賛」に値するヘナとアレッポ石鹸、ナーブルス石鹸-UNESCOがこれら3点の伝統を無形文化遺産に登録-
【ロンドン:本紙】
<<ナーブルス石鹼>>
1,000年以上前から続くパレスチナのナーブルス石鹸産業の伝統もまた、UNESCOに登録された。
UNESCOは、大半が四角形のナーブルス石鹼は、地元の環境でとれる「オリーブオイル、水、苛性ソーダ」の3種の天然素材を使って手作業で作られると説明した。
さらに同機関は、「オリーブの収穫時期が終わると、複数の家族がともに石鹸造りをし、独自の刻印を石鹸に押した後、包装し、1年間保管する」と続けた。
この伝統は収入源であり、パレスチナに暮らす大半の家族はこれを行っている。またこの石鹸は、特にハリール(ヘブロン、南部)、ラーマッラー(中部)、トゥールカルム(東部)といった占領下西岸地区の様々な区域のほか、ガザ地区にある家や小さな工房で作られている。
UNESCOによると、「男性と女性がすべての工程に加わり、子供たちも自身の家族を手伝う」一方、父親らは石鹸のカットと梱包を担当するという。また多くの人が、結婚式や誕生日のプレゼントとしてホームメイドの石鹸を贈る。
UNESCOは、パレスチナやパレスチナ人の移住先にある職人コミュニティは、1967年以降イスラエルが占領している西岸地区北部の町での石鹸造りの伝統が、「自身らの文化的遺産の要素の1つ」であると考えていると指摘したうえで、「オリーブオイルの使用が、社会と自然の密接な結びつきを体現している」と付言した。
さらに以前にも、「ヒカーヤ(訳注:民話)」、「パレスチナ刺繍」、「ダブカ(訳注:伝統舞踊)」といったパレスチナの3伝統が無形文化遺産に登録されたことは特筆に値する。
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